特定のスタッフに要求を繰り返す患者への対応を行った事例
特定のスタッフに要求を繰り返す患者への対応を行った事例

ご相談者
院長
中規模クリニック
スタッフ数 20名前後
ご相談内容
ある患者が来院のたびに特定の受付スタッフに対して、「待ち時間が長い」「駐車場が遠い」「自分だけは診療時間外に対応してほしい」など、さまざまな要求を繰り返している。
院長が要求には対応できないことを説明しても、長時間にわたり受付の前で要求を繰り返すため、スタッフや他の患者への影響が心配である。
解決結果
弁護士が当該患者と話し合った結果、要求が収まりました。
解決までの流れ
相談の際、具体的な事情を聞いてみると、患者はクリニックに対して敵対的な感情を持っているのではなく、むしろなんでも話を聞いてくれると思って要求をしていると考えられました。
そして、中でも断ることが苦手なタイプのスタッフが、この患者のターゲットになってしまっていました。
そこで、依頼を受けた弁護士が患者に内容証明を送り、「要求がある場合はスタッフではなく弁護士に伝えてほしい」と連絡をしました。
当初、患者はいつもの受付スタッフとしか話をしたくないと頑なな態度でしたが、何度か連絡を取るうちに、医院への不満や要望を弁護士に話すようになりました。
答えられる要求と答えられない要求についてしっかりと説明をし、今後も来院をしたいことの意思確認をしたところ、患者は納得し、以後クリニックへの要求は収まりました。
弁護士のコメント
要求を繰り返す患者の中には、クレームをつけている認識はなく、自分の気持ちを聞いてほしい、日常の寂しさをぶつけているだけの場合もあります。
しかし、診療以外の対応をしていれば、業務が圧迫されて医院経営にも影響が出てきます。
本件では、弁護士が当該患者と話をしただけでなく、スタッフに対して、患者が来た際の対応をアドバイスしたため、それ以降患者が無理な要求をしてきた時に適切な対応を取れた点も効果的でした。